今回は Portfolio Visualizer を使って、債券ファンドの買い方について考察します。
最近は、株式ファンド買っておけばいいという風潮ですが、ちょっと前までは現代投資理論を参考にして、株だけでなく債券にも分散投資するのが流行っていました。
株や債券に手広く簡単に分散投資をしたいというニーズを捉えようとしたのか? 生まれたバランスファンドの一つに世界経済インデックスファンドがあります。
この世界経済インデックスファンドは、株50%、債券50%にしてますが、
他に、
株75%、債券25%の株式シフト型
株25%、債券75%の債券シフト型があります。
この世界経済インデックスと、株式シフト型、債券シフト型のポートフォリオを参考にして、債券ファンドを組み入れる効果を確認してみたいと思います。
VT 全世界株式ETF
を使って、
Portfolio 1 株75% 債券25%
(疑似・世界経済インデックスファンド・株式シフト型)
Portfolio 2 株50% 債券50%
(疑似・世界経済インデックスファンド)
Portfolio 3 株25% 債券75%
(疑似・世界経済インデックスファンド・債券シフト型)
を作ってみました。
初期投資額100ドル、毎月100ドル積立、年1回リバランス、
2010年1月から2023年10月まで投資した場合
総投資額は、1万6700ドルです。
↓↓折れ線グラフの表示方法について、
日本は、アメリカほどインフレ指標がきつくありませんが、
食料品の値段が上がる、給料が伸び悩む、社会保障の負担が増えるなど……
貯蓄や投資がしにくい環境下にありますので、
逆風に耐えるような投資効果が得られたか確認するためにも
アメリカ並みのインフレの影響を加味します。
Portfolio 1 株75% 債券25%
(疑似・世界経済インデックスファンド・株式シフト型)
は、1万9556ドル
Portfolio 2 株50% 債券50%
(疑似・世界経済インデックスファンド)
は、1万6921ドル
Portfolio 3 株25% 債券75%
(疑似・世界経済インデックスファンド・債券シフト型)
は、1万4616ドル
となりました。
株の割合が大きいほどリターンが大きく、
債券の割合が大きいほど下落時の値下がりが小さく、リスクを抑えることができます。
総投資額は、1万6700ドルですので、
株50%、債券50パーセントなら
なんとかインフレに耐えて購買力を維持できるという検証結果になりました。
最近、ちょうど債券の利回りが上がって債券の額面が値下がりしていますので、こんなタイミングではインフレに負ける結果になります。
ただ、長期分散投資は今回のシミュレーションのような14年弱を超える長い期間投資するものですし、取り崩し始めてからも長期に渡って少しずつ売っていきます。今のように債券ファンドのパフォーマンスが悪い時期もあれば、いい時期もあります。リスクを抑えられればリターンは気にしないという考え方もあるでしょう。
ただ、今回の検証を見る限り、債券ファンドの割合を増やし過ぎると、将来の予測がつかないインフレにリターンが負ける可能性があります。
従来のような株にも債券にも分散投資というスタイルはちょっと怖いですね。
債券の利回りが良いときに、お守り代わりに買っておくくらいでいいような気がします。