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(法律相談練習2)後妻の面倒をみなければならない?

source:父の再婚相手は姻族なので、父亡き後も、娘の私が面倒をみる義務があると言わ... - Yahoo!知恵袋

相談要旨

 

父が他界し、高齢の後妻の面倒を見るよう社会福祉士や施設の職員から言われている。後妻の面倒をみなければならない法的根拠は何でしょうか。

 

この事例の相談を受けた場合の回答をシミュレーションします。

 

論点1 後妻の面倒をみなければならない法的根拠

論点2 後妻の面倒をみなければいけない根拠(社会福祉制度の関係)

 

論点1 後妻の面倒をみなければならない法的根拠

 

家族に難する権利や義務について定めた民法の範囲では、現状では後妻の面倒をみなければならない義務は発生していませんが、後日、家庭裁判所から義務を課される可能性はあります。

 

民法730条は、『直系血族及び同居の親族は互いに扶け合わなければならない』と定めています。後妻は直系血族ではありませんし、同居しているわけではないので、民法730条は適用されません。

 

民法877条は、『直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある』と定めています。この条文についても、後妻は直系血族ではありませんし、当然、兄弟姉妹でもありませんので扶養義務はありません。

 

ところが、民法877条は、家庭裁判所は特別の事情がある時は、扶養義務を負わせることができると規定しているので、後日扶養義務が生じる可能性はあります。

 

参考条文

 

民法 第730条【親族間の扶け合い】 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

 

民法 第877条【扶養義務者】

① 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

② 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

③ 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

 

論点2 後妻の面倒をみなければいけない根拠(社会福祉制度の関係)

 

社会福祉士や施設の職員から面倒をみるように言われているとのことですが、本人の義理の娘という関係にあるため、頼みやすいのだと思います。

 

また、他にも義理の娘さんが面倒を見ているケースがあり、通例ではそうするものだという思い込みがあるのかもしれません。

 

家庭裁判所の判断がある前であれば、民法上、扶養の義務はありませんが、社会福祉関係の法令に何か根拠法的な根拠に基づいている可能性もあります。

 

あまりいい顔をされないと思いますが、一度、法的根拠について聞いてみると疑問が解消するかもしれません。

 

なお、断ることもできそうですが、社会福祉士や施設職員などの関係者は、後妻の方が面倒をみてくれないとなると、別の関係者に連絡をとるか、家庭裁判所の審判を求める手続きを始めると思われます。

 

また、一度中途半端にかかわると、事務管理に伴う義務が発生し、誰かにしっかり引き継ぐまで面倒をみなければならないと思われます。

 

第697条【事務管理

① 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。

② 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

 

こんな具合の回答になります。社会福祉関係の法律で、義理の娘が後妻を扶養する義務を定めたものがあるんでしょうか。多分ないでしょう。後妻の親族に連絡とって、身元を引受けてもらえるか、確認してみる方法もあると思います。

 

この質問に対して他の方は、義務がないし、義務があっても努力義務だから断って大丈夫だと書いてますね。勉強になりました。

 

この相談難しかったです。

 

断ると後悔することになるかもしれないし、施設の職員も大変になるだろうなあとか考えてしまいますね。

 

追記

 

このように回答しました。

 

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