概要
Traces S&P500 トップ 10 インデックス(米国株式)を見てみました。
S&P500指数の時価総額加重平均ベースで上位10銘柄の指標をつくり、その値動きに連動する投資成果を目指す投資信託なんだそうです。
新NISAの成長投資枠で投資できます。
信託報酬額が年率 0.10725 %(税抜 0.0975 %)かかります。
2024 年 5 月 17 日から、株式会社 SBI証券、マネックス証券 、楽天証券で買えるようです。
見どころ
Traces S&P500 トップ 10 インデックス(米国株式)は、S&P500指数と比較すると、値動きが大きいです。
相場が伸びる時にリターンを、
相場が下落する時にスリルを味わえます。
値動きにドキドキしたいリスクテイカーが好みそうな投信です。
注意点
指数連動性
Traces S&P500 トップ 10 インデックス(米国株式)が投資する指数というのが、手前味噌の「S&P500トップ10指数」であり、文字通りS&P500の時価総額上位10銘柄だけ抽出した指数とは違うんだろうと思います。
『原則として毎年6月に構成銘柄の見直しが実施され、年4回、構成比率の調整が行われます』とのことですが、まともに指数に連動することを目指すなら構成銘柄の見直しが年1回だけというのも、構成比率の調整が年4回というのも少なすぎる気がします。
S&P500構成銘柄の時価総額上位8位~10位くらいは入れ替わりが多そうですが、仮にに入れ替わっても投信で保有する銘柄は次の6月まで保留にするということになります。
長く運用していくと、手前味噌の「S&P500トップ10指数」は、「文字通りS&P500の時価総額上位10銘柄だけ抽出した指数指数」から大きく乖離していきそうな予感がします。指数よりリターンが大きくなるというより、指数より劣後していくのかなあ。
さらに、投信の成績も「S&P500トップ10指数」から乖離していくことも忘れてはならないでしょう。
バックテストが良好でも、思い通りに指数に連動させられた場合の架空の成績です。いざ運用が始まったらどうなるか分かりません。
信託報酬は高くないか?
信託報酬額が年率 0.10725 %(税抜 0.0975 %)です。
オルカンの倍くらい?
(参考:eMAXIS SIim 全世界株式(オ ー ル・カントリ ー )、信託報酬額 年0.05775%)
連動を目指す「S&P500トップ10指数」自体、投資対象が10銘柄程度、銘柄の入替が年1回、構成比率の見直し年4回という 手抜き ゲフンゲフン……、運用担当者のワークライフバランスを考慮した人に優しい設計になっています。
肩の力が抜けてても、少なからず人が動く以上、費用がこんだけ発生するんだなあ。
なお、大本営発表の信託報酬額より、実質的なコストは高くなることはよくあることなので、一見低コストそうでも要注意です。
買う方は、月次報告書などを定期的に確認しましょう。
投資信託で投資する理由が……
銘柄の入替が年1回、構成比率の見直し年4回だけなら、個別株で投資しても、お手製の指数に合わせられると思います。
時価総額の高い銘柄から買い足していけばいずれは、疑似S&P500ができるでしょう。
少額から投資したい場合は、定期的に定額購入してドルコスト平均法の恩恵に預かりたい場合は、この投資信託があって良かったということになります。
リスク
価格変動リスク: 少数の個別株に投資するので、値動き大きめです。
流動性リスク: 取引量が多い銘柄に投資するので、比較的少ないのかなと思います。しかし、構成銘柄が連日ストップ安になると投信の成績が指数から乖離していく……なんてことはあり得ます。
信用リスク: 投資先が倒産する前に、構成銘柄から外れるでしょう。しかし、不祥事があって株価が駄々下がりすることはありそうです。
為替変動リスク: 円安になると値上がりし、円高になると値下がりします。
感想と投資法
Traces S&P500 トップ 10 インデックス(米国株式)は、
儲かるときは、凄く儲かりそうな投信です。
好きな人はとことん好きになるでしょう。
ありきたりな分散投資と比較して、射幸性(ギャンブル性)が強い側面がありますので、儲かる気分を味わって脳汁ブシャーッしたい方にお勧め。
米国株の相場が下がる時は、ドカンと下がるのでお気をつけください。
暴落を経験して、儲かる気分ではなくなった時に持ち続けられるか、押し目買いできるかが重要です。暴落したら、自身のリスク許容度と合っているのかどうか改めて考えてみることになりそうです。
新NISAを利用する場合、つみたて投資枠が使えず、成長投資枠で手動で注文を入れる必要がります。
積み立てたいなら、課税をいとわず特定口座を使うことになります。
新NISAで毎回手動で注文するくらいなら、個別株買うのでもいいでしょう。
新NISAで米国株の取引きをする場合、手数料がただになる証券会社があります。そんな証券会社で新NISA口座を開いているなら、個別株で時価総額が大きな銘柄を選んで投資すれば、信託報酬額を払わずに済みます。長期投資ではじわじわ効いてきます。