「自民党の改憲草案で、日本国憲法がどう変わるのか分かりやすい」と、ツイッターで話題になっているサイトがあるので、見てみました。
上記サイトでは、22か条について指摘されていますが、私が読んで気になったものうち、3か条取り上げます。
前文
現行憲法
『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、…』
↓
改憲草案
『先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、…』
Source : kaikensouan.com
引用元のサイトでも指摘されていますが、『政府による戦争をしない決意が前文からなくなります』
まさか、積極的に戦争する気はないと思いますが、戦争を避ける努力はしなくなるかのように読めてしまいます。
日米安保との兼ね合いで、外交や防衛政策の自由度を上げるという意図でしょうか。
憲法改正に絶対反対というわけではありませんが、
政治家の努力義務を緩和する方向での改憲には、国民として反対しなければならないでしょう。
憲法は、政治家を縛っておく手綱なので、政治家にとっては煩わしいでしょう。
しかし、国民がそれを緩めると、後で大変なことになりかねません。
太平洋戦争でどんな目に遭ったか思い出しましょう。
第9条
現行憲法
『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』
↓
改憲草案
Source : kaikensouan.com
政策の自由度上げたいという意図がビンビン伝わります。
ここを変えると、ときの政府が勝手に戦争初めても、憲法に定めらている『国防軍』の通常の業務とか言い訳しそうです。
仮に改憲するとしても、憲法改正する前に、憲法改正後の法律や行政はどうなるか説明しつつ確約し、それについて政治的責任を負ってもらいたいですね。
そうしないと、狂犬を野に放ったような状態になるでしょう。
もちろん、不用意な改憲をしないのが一番ですが。
18条
原稿憲法
『何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない』
↓
改憲草案
『何人も、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない』
Source : kaikensouan.com
『いかなる奴隷的拘束も受けない』という権利擁護の趣旨の、頼もしい宣言が一気にトーンダウンさせるつもりです。
何かのギャグでしょうか。
『社会的又は経済的関係において身体を拘束されない』だと、『いかなる…』というわけでもないので、拘束される余地がありそうですね。
例えば、「政治的関係において」身体を拘束されたりするんでしょうか。
こんな条文では、何かのディストピア小説のように、時の政府に物申すことができなくなる可能性も出てきます。
さすがに考え過ぎかもしれませんが、国民の権利を守る頼もしい表現を一気にトーンダウンさせよういうのは、感心しませんね。
今回3つ条文の改正案だけ引用してコメントしましたが、
引用元のサイトはこの他にもたくさん条文の改正案について取り上げ、
鋭く指摘し詳しい解説をつけています。
参院選間近ということもあって、自民党に批判的な誰かが前もって用意していたという印象があります。
ところどころ解釈に飛躍があるような……。
まあ、権力者に対して厳しく批判するというのは、弱い立場の人達を守るという点で大事な姿勢でしょう。
やはり参議院選挙も近いことですし、この機会に…
憲法について、
改憲の必要性について
改憲後の条文について
改憲後の国政のあるべき変化について、
考えてみるのも良さそうです。