与党過半数割れ
2024年10月27日(日)の第50回衆議院議員選挙で、与党の自民党と公明党両党の議員数が衆議院の議席総数の過半数を割りました。
他の党を含めて連立政権を作るか、
政策毎に協力するか、
現在の野党が集まって(ひょっとしたら公明党も入れて)過半数の勢力を形成するか
不透明な事態です。
しかし結局は、自民党が一番議席数多いので、自民党を主軸にした政権運営になるでしょう。
祝儀相場
政権が安定すると株価が上がり、
政権が不安定だと株価が下がる傾向にありますが、
政権が不安定になることが火を見るよりも明らかな
衆院選の結果を受けた今日の株価はなぜか上がりました。
与党過半数割れのご祝儀相場なんて言われております。
原因
今回は、いままでとは異なる状況での選挙だったと思います。
まず、前回の政権交代の頃(リーマンショックの後)ほど大変ではないですが、物価高騰で国民の生活が苦しく、政府に対策が求められるところでしたが、上手く納得がいくような政策を打ち出すことはできませんでした。
マイナンバーカードを保険証と紐づけて、従来の保険証を廃止するという、国民生活の利便性を損なう施策で反感を買いました。
自民党議員が政治資金パーティーで集めた金の一部を、政治資金報告書に不記載とし、税金逃れしたうえ、何に使ったか報告する必要がない裏金としてため込んでいることが判明しましたが、国民への説明が不十分なままでした。
現行の税制を厳しく適用して追徴課税させ、税金はらえない場合は自民党が無利子で議員に貸し付けてでも納税させておけば、国民の溜飲は下がったでしょう。
そうできなかったのは、自民党がもはや営利社団法人の体をなし、自民党議員は国会議員という役職を金儲けの手段にしている為でしょう。
支持率が低下した前首相の岸田さんに代わって、石破さんが自民党総裁選に勝利し、改革のために大ナタを振るうことが期待されました。
しかし、いざ、石破さんが首相になってみると、改革できない普通のおじさんだということが明るみになってしまいました。しおらしい態度が取れる教養と余裕があるのがチャームポイントですが、それでは選挙に勝てません。
よく言葉を選んで話せる野党第一党の代表に貫録負けしました。
公明党の代表落選と議席減について
公明党の代表が選挙区で落選しました。
また、議席を32から24に落としました。
裏金問題のとばっちりを受けたとの敗者の弁ですが、
自民党にくっついている以外の印象が薄いです。
実は、自民党がろくでもないこと始めようとしたとき、
止めてくれる政権与党の良心なのですが、
だからと言って、有権者が投票するとは限らないようです。
そもそも、そういったこと知らないのかも知れません。
自民党には、共産党の民主集中制と似たような働きを持つ党議拘束があります。
つまり、「党の方針には逆らうなよ」という方針で
一塊(ひとかたまり)になって動くのです。
中国みたいですね。
そのおかげで、余計なことをする危険をはらみながらも意思決定にスピード感が出ます。
公明党が政権にいるおかげで、自民党のヤバさが制限されますが、
公明党がいなければいないで、
自民だけで他の党に気兼ねなくパッパと決めるのも
ありっちゃあり。
立憲民主党の躍進について
以前、立憲民主党が伸び悩んでいる理由について書いた記事に、
貧乏性で金を使うべきところに金を使わないからパッとしないと指摘しましたが、今回は、珍しくCMを打ってきました。
立憲民主党は、50議席くらい伸ばしましたが、旧民主党時代の二大政党制の実現を伺う勢いを回復するまで時間がかかり過ぎた印象です。
安倍元首相が、「アベノミクスは道半ば」などという目玉政策の大失敗を自白していた頃に、今くらい戦えてないと本来おかしいのです。
国民の多くは、立憲民主党の政策をよく理解してないので、今後議席を失うことはあり得ると思います。
特に、給付付き税額控除について、理解している国民は少ないでしょう。
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国民民主党の躍進について
「若者をつぶすな」のような分かりやすいメッセージや
石丸信二氏のような著名人が支持する動きも手伝って議席を伸ばしました。
他の党との逆張りや、調子いい政策を掲げている印象で危なっかしいです。
狙い通り、若年層の手取りが増えても、貯蓄に回したら、財政赤字の割に景気が悪いなんてことにもなりかねません。そこらへんの計算は、ちゃんとできているのでしょうか。
旧民主党時代に、政権交代してから、政権を取り返されたときのことを忘れていないことを祈ります。
立憲民主党と国民民主党の政策や公約を比べてみると、前者の方がよく練れており、優秀なスタッフが党運営を支えてることが推察できます。
国民民主党は、人を増やして育てて体力をつける必要があるでしょう。今回の議席増は、そのきっかけになるといいですね。