まるいの日記

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SBI-Manリキッド・トレンド・ファンドとは? 暴落でも稼ぐ仕組みと低コストの秘密を解説

SBI-Manリキッド・トレンド・ファンドのタイトル画像。羅針盤と幾何学的な船のイラストとともに「暴落でも稼ぐ仕組みと低コストの秘密を解説」と表示されている

SBI-Manリキッド・トレンド・ファンドの解説

はじめに:この記事でわかること

「株も債券も同時に下がる」——そんな経験をしたことはありませんか?

2020年代に入り、従来の分散投資が想定通りに機能しない場面が増えました。株式と債券が同時に下落する局面を目の当たりにして、「このままの組み方でいいのか?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、下落相場でも収益を狙える設計を持つ「SBI-Manリキッド・トレンド・ファンド」について、以下の4点を中心に解説します。

  1. 下落相場でも利益を狙える「トレンド・フォロー戦略」の具体的な仕組み
  2. ヘッジファンド型でありながら、信託報酬が年率1%未満で成功報酬ゼロという異例のコスト構造
  3. 100円から投資でき、日次で解約もできる高い流動性(換金しやすさ)の意味
  4. このファンドをポートフォリオに組み込む際の、3パターンのコア・サテライト戦略

 

 

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SBI-Manリキッド・トレンド・ファンドの特徴

リキッド・トレンドの3つの特徴を示した図。左から「危機に強い(クライシス・アルファ)」「異例の低コスト(信託報酬約1%未満・成功報酬ゼロ)」「高い流動性(100円から・毎日解約可能)」

プロのヘッジファンド戦略を個人投資家へ開放した3つの強み

このファンドの最大の特徴は「下落局面でも収益を追求できる設計」にあります。

 

通常の投資信託は相場が上がれば儲かり、下がれば損をします。しかしこのファンドは、上昇トレンドには「買い」、下落トレンドには「売り」を使い分けるシステム運用を採用しているため、相場の方向性さえあれば、上下どちらでも利益を狙えます。

 

このような危機局面でポジティブなリターンを狙う性質を「クライシス・アルファ(Crisis Alpha)」と呼びます。リーマン・ショックやコロナショックのような金融危機では、多くの資産が同時に下落しますが、このファンドはそうした場面を収益機会として活用することを目指しています。

 

運用を担うのは英国の「マンAHL」。1987年設立のクオンツ(数量分析)運用のパイオニアで、130名以上の数学・物理学の博士号取得者が在籍しています。人間の感情に左右されず、データと統計に基づいて淡々と売買判断を下すのが特徴です。

 

また「リキッド(Liquid)」という名称が示すとおり、資金の流動性が高いことも重要な特徴です。従来のヘッジファンドは最低投資金額が数千万円以上、解約制限(ロックアップ)が数ヶ月〜数年に及ぶケースが一般的でした。このファンドは100円から買えて、毎営業日に解約可能です。

 


 

基本情報

項目 内容
商品名 SBI-Manリキッド・トレンド・ファンド
愛称 リキッド・トレンド
運用スタイル アクティブ(絶対収益追求型)
ベース指数 なし(システムによるトレンド追随型)
為替ヘッジ なし
レバレッジ あり(目標変動率:年率15%程度)
通貨建て 円建て
分配金頻度 年2回(1月・7月)※原則再投資
信託報酬(実質) 年0.998%程度(税込)
NISA口座での運用 不可
運用会社 SBIアセットマネジメント
運用開始日 2024年8月16日
購入できる証券会社 SBI証券、楽天証券

 

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投資対象と運用の仕組み|世界26市場へのトレンド・フォロー戦略

トレンド・フォロー戦略の仕組みを示した図。上昇局面は買い・下落局面は売りで利益を狙い、株式先物・債券金利・外国為替・商品先物の4カテゴリーに分散投資する

上がっても下がっても利益を狙うトレンド・フォロー戦略の仕組み

実質的な投資先

このファンドは「Man AHL Trend Core Class A」という外国投資信託を通じて運用されます。直接的に株や債券を買うのではなく、以下の4つのカテゴリーにまたがる世界26の先物市場に分散投資します。

 

カテゴリー 主な対象
株式指数先物 S&P500、ナスダック100、日経225、DAX(ドイツ)など
債券・金利先物 米国債10年、英国債、ドイツ国債など
外国為替 米ドル、ユーロ、円、英ポンド、豪ドルなど
商品先物 金、銀、銅、原油(WTIおよびブレント)など

 

「目標変動率15%」という仕組み

本ファンドは市場の荒れ具合(ボラティリティ)に応じてポジション量を自動調整します。相場が激しく動く局面では保有量を減らし、落ち着いた相場では増やすことで、ファンド全体のリスクを年率15%程度に維持しようとするものです。「ターゲットボラティリティ(目標変動率)」と呼ばれるこの手法により、投資家は市場環境に左右されすぎない一定の水準でプロの戦略を活用できます。

 


 

類似商品との比較|コスト面での優位性を検証

ヘッジファンド型の投資信託は「高コスト・解約しにくい」というイメージが強い商品群です。このファンドがどこで差別化しているかを比較します。

 

比較項目 リキッド・トレンド 従来のヘッジファンド型投資信託
信託報酬(実質) 年0.998%程度(税込) 年2.0%以上が多い
成功報酬 なし 運用益の20%程度が一般的
最低投資金額 100円から 数千万〜数億円の場合も
解約制限 なし(毎営業日解約可能) 数ヶ月〜年単位の拘束あり
運用の透明性 ビデオレター等による定期報告あり ブラックボックスになりがち

 

信託報酬の内訳についても、SBIアセットマネジメント分(0.121%)、販売会社分(0.275%)、受託信託銀行分(0.022%)、外国投資信託費用(0.58%程度)と明示されており、コスト構造の透明性は高いと言えます。

 

チャート(オルカン、リキッド・トレンド、先進国債券。2024年9月1日~2026年4月1日)

SBI-Manリキッド・トレンド(青・約+35%)・オルカン(ピンク・約+50%)・先進国債券(緑・約+20%)の騰落率比較チャート。2024年9月〜2026年4月。リキッド・トレンドは2025年前半に一時マイナス圏まで下落後、回復して+35%前後まで上昇。オルカンとは異なる値動きで推移している。

青線 89311248 SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド
赤線 0331418A eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
緑線 0331609A eMAXIS Slim先進国債券インデックス(除く日本)
2024年9月1日~2026年4月1日
出典:Yahoo! ファイナンス

期間:2024年9月1日~2026年4月1日

トランプショック時のモメンタムクラッシュで一時的に失速したものの、その後は株式の上昇トレンドや金価格の上昇局面を的確に捉え、パフォーマンスを回復させています。

 

チャート②(オルカン、金、リキッド・トレンド、ドル円。2024年9月16日~2026年6月8日)

オルカン(青)・米ドル円(ピンク)・SBIゴールド為替ヘッジなし(緑)・SBI-Manリキッドトレンド(黄)の騰落率比較チャート。2024年9月から2026年6月にかけてゴールドが最も上昇し、オルカンとリキッドトレンドが横並びで続く

0331418A eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
米ドル/円

8931A236 SBI・iシェアーズ・ゴールド(H無)
89311248 SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド
2024年9月16日~2026年6月8日
出典:Yahoo! ファイナンス

期間:2024年9月16日〜2026年6月8日

オルカンとリキッドトレンドはリターンが似ていますが、途中の値動きのパターンが異なる点が特徴です。オルカンが下落する局面でリキッドトレンドが踏みとどまる、あるいは逆行する動きが見られれば、相関の低さを視覚的に確認できます。
ゴールドはこの期間では圧倒的なリターンを示しており、オルカンとの値動きの違いも明確です。ただし2026年春以降は調整局面に入っており、+120%超から+90%前後まで下落しています。資産クラスとして分散効果が高い金も、常に右肩上がりではなく独自の値動きをする点は理解しておきたいところです。

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メリットとリスク

リキッド・トレンドのメリットとリスクを示した図。左側にオルカンとの相関0.09・金との相関0.05・約1.7年で+135.9%上昇の実績。右側にトランプショックのような急な相場転換時に一時低迷するリスク

40銘柄中トップの分散効果と、知っておくべきもみ合い相場での弱点

メリット

データで確認できた、オルカン・金との低相関

当ブログでは、国内で購入できる投資信託・ETF 40銘柄を対象に、オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)および金投信との相関係数を独自に調査しました(調査期間:2024年8月16日〜2026年4月28日)。

その結果、リキッド・トレンドの相関係数は以下のとおりです。

 

比較対象 相関係数
オルカン(eMAXIS Slim全世界株式) 0.09
金投信 0.05

 

調査した40銘柄の中で、オルカンとの相関・金との相関ともに最も低い銘柄がリキッド・トレンドでした。相関係数が0に近いほど「値動きが似ていない=分散効果が高い」と判断できます。株式にも金にも引きずられない、という性質がデータで裏付けられています。

 

詳細は下記の分析記事をご覧ください。

オルカン×金コアのサテライト候補を40銘柄で検証|相関係数と騰落率ランキング

 

月次データでも同じ傾向を確認【2026年5月5日追記】

上の数値は日次の騰落率をもとに算出したものです。より実態に近い月次データでも同じ傾向が出るか、3資産間の相関係数を追加で確認しました。

 

組み合わせ 相関係数
オルカン × 金 0.189
オルカン × リキッド・トレンド 0.085
金 × リキッド・トレンド 0.148

調査期間:2024年9月〜2026年4月(月次騰落率ベース)

 

オルカンと金の間にはわずかながら正の相関(0.189)があります。

それと比べても、リキッド・トレンドはオルカンとの相関が0.085、金との相関が0.148と、いずれも低い水準です。日次・月次のどちらで見ても、リキッド・トレンドはオルカンにも金にも引きずられにくいという結果は一致しています。調査期間がまだ約1年7ヶ月と短い点には注意が必要ですが、2種類の異なる集計単位で同じ傾向が確認できたことは、一定の信頼性を持つ結果と言えるでしょう。

 

値上がりもしている

分散効果だけでは「組み込む意味」は半分しかありません。もう一つの軸として、リキッド・トレンドは調査期間(約1.7年)における騰落率が+135.9%と、40銘柄中でも上位の水準でした。年率換算では約80%相当に達しており、分散効果を持ちながら自身も値上がりしているという条件を満たしています。

ただし調査期間がまだ約1.7年と短く、この数値が今後も続くとは限りません。参考値として理解しておく程度に留めることをおすすめします。

 

トランプショックで見えた「もみ合い局面の弱点」と回復力

2025年前半のトランプショック(急激な関税政策による市場混乱)では、リキッド・トレンドはオルカンとともに下落し、その後オルカンが値を戻す一方でリキッド・トレンドは一時低迷しました。これはトレンド転換期(下落からの急回復)に戦略が機能しにくくなるためで、トレンド・フォロー戦略の構造的な弱点が出た局面でした。

 

ただし、その後の調査期間(〜2026年4月)で見ると累計+135.9%まで回復・上昇しており、長い目で見れば分散効果と成長性を両立した結果になっています。短期的な低迷で判断するのではなく、ポートフォリオ全体への寄与で評価することが重要です。

 


 

SBI-Manリキッド・トレンドをどう使う?コア・サテライト戦略3パターン

このファンドは、ポートフォリオの主軸(コア)ではなく補完役(サテライト)として活用するのが基本的な考え方です。当ブログの40銘柄調査でも、リキッド・トレンドは「分散効果重視ランキング1位」と位置付けられており、オルカン・金のコアと組み合わせる相性の良さが確認されています。

 

以下の3パターンを参考に、自分のスタイルに合った構成を探してみてください。

全世界株式・先進国債券にはeMAXIS Slimシリーズ、純金にはサクっと純金・楽天ゴールドファンド・純金積立の活用を想定しています。

 

戦略 コア(約9〜10割) サテライト(約1〜2割) ねらい
戦略1:シンプル分散型 全世界株式85〜95%、純金5〜15% リキッド・トレンド10% データで確認された低相関を活かし、オルカン・金コアに1割だけ加えて下落耐性を底上げする
戦略2:守り重視型 全世界株式50%、純金10%、個人向け国債10%、先進国債券20% リキッド・トレンド10% 債券・金で守りを厚くした上で、オルカン・金・債券のいずれとも相関の低いリキッド・トレンドをさらなる備えとして加える
戦略3:クライシス・アルファ積極活用型 全世界株式80% リキッド・トレンド20% 株式比率を下げた分をリキッド・トレンドに回し、暴落局面でのクライシス・アルファを積極的に取り込む

 

その他の活用法

eMAXIS Slim全世界株式でNISAつみたて投資枠を活用しながら、特定口座でリキッド・トレンドを少量積み立てるという使い方が現実的です。NISAで非課税枠を最大活用しつつ、特定口座で分散効果を加える構成として考えられます。

 

相場が不安定な時期に比率を引き上げたくなる気持ちはわかりますが、タイミングを見計らった調整はかえって失敗を招きやすいため、長期の方針をあらかじめ決めておくことをおすすめします。

 


 

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まとめ

コア・サテライト戦略のドーナツグラフ。コア8〜9割はオルカン等の全世界株式(NISA活用)、サテライト1〜2割はリキッド・トレンド(特定口座)。守りの盾兼攻めの剣として少量加えるのが最適解と説明

NISAの第3の選択肢:サテライト1〜2割に組み込むコア・サテライト戦略

SBI-Manリキッド・トレンド・ファンドは、これまで機関投資家やごく一部の富裕層だけが使えたトレンド追随型ヘッジファンド戦略を、100円・日次解約・信託報酬1%未満という条件で個人に開放した商品です。

 

NISA対象外という制約はあるものの、特定口座で活用できる「第3の選択肢」として、株式や債券とは異なる動きをする資産をポートフォリオに組み込みたい方にとっては選択肢に入れる価値があります。

 

まずはSBI証券や楽天証券のファンドページで最新の基準価額や運用報告を確認し、自分のリスク許容度と照らし合わせながら検討してみてください。

 

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

 

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