
はじめに
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が一日で10.30%下落しました。さらに日経平均先物も4.13〜4.14%の下落を示しており、週明けの国内株式市場も大幅安からのスタートが見込まれています。
ニュースを見て、不安になった方も少なくないはずです。
「このまま積み立てを続けていいのか」「損切しようか」——そんな気持ちが頭をよぎった方に向けて、今日は一人の投資家の話をしたいと思います。
- はじめに
- バフェットが60年かけて証明したこと
- 「市場予測」を一切しなかった
- 株価下落は「バーゲンセール」だと言った
- 長期投資家にとって、下落は何を意味するか
- 積み立てを止めるべきかという問いへの答え
- まとめ
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バフェットが60年かけて証明したこと
ウォーレン・バフェットは1965年、繊維会社だったバークシャー・ハサウェイの経営権を取得しました。以来、2024年末までの年平均リターンは約20%。同期間のS&P500(配当込み)の約10%と比べ、ほぼ倍のペースで資産を増やし続け、累積リターンは610万%を超えています(出典:バークシャー・ハサウェイ 2024年次報告書)。
しかし、バフェットが偉大なのはその数字だけではありません。どうやってその数字を積み上げたかの方が、長期投資家にとって重要です。
「市場予測」を一切しなかった
バフェットは生涯を通じて、「株価がいつ下がるか」「景気がいつ悪化するか」を予測して動くことはしませんでした。
バークシャーの株主への手紙には、こんな趣旨の言葉が繰り返し登場します。
「私は金利の動向も、株式市場の動きも、選挙結果も予測しようとしない」
経済指標の読み方でも、マクロ分析でもなく、バフェットが基準にしたのは事業の本質的な価値でした。
「いつ買うか」ではなく「何を買うか」。そして一度買ったら、長く持ち続ける。バフェットは1988年の株主への手紙にこう記しています。
「優れた経営陣がいる傑出したビジネスを保有する際、我々が望ましいと考える保有期間は"永遠"だ」 (原文:Our favorite holding period is forever. / 出典:バークシャー・ハサウェイ 1988年 株主への手紙)
これは個別株についての言葉です。しかし、その哲学の核心——本質的な価値を信じるなら、売る理由はない——は、オルカン(全世界株式インデックスファンド)や金にも同じように当てはまります。
オルカンが投資対象とするのは、世界中の優れた企業数千社です。個々の企業の経営陣を選ぶことはできませんが、世界経済全体の長期的な成長という「傑出したビジネス」に乗り続けることができます。金はそれとは異なる性質を持ちますが、法定通貨の価値が揺らぐ局面で輝く資産として、数千年にわたって価値を保ってきた実績があります。
どちらも、短期の値動きで判断を変えるべき性質のものではありません。バフェットが個別株に「永遠」という言葉を使ったのと同じ感覚で、積み立てを続けるに値する対象です。
株価下落は「バーゲンセール」だと言った
バフェットが下落局面でどう行動したかは、数多くの発言に残っています。
2014年の株急落局面、米CNBCのインタビューでバフェットはこう語りました。
「Down days always make me feel better(株価が下がる日は気持ちがいいよ。株を安く買えるのだから)」
さらにこう続けています。
「ハンバーガーでも下着でも、私は値引きされたら買うのが好きだ。昨日より今日が安ければ、安く買えるではないか」(出典:日本経済新聞 2014年8月1日)
株価が下がった日を「損失が出た日」と捉えるか、「安く仕込める日」と捉えるか。バフェットは一貫して後者でした。
そして実際に、市場が悲観ムードに包まれ株価が大きく値下がりしたタイミングで積極的に投資しました。
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長期投資家にとって、下落は何を意味するか
積み立て投資の仕組みを思い出してください。
毎月一定金額を買い付けるドルコスト平均法では、価格が下がるほど多くの口数を購入できます。市場が急落した今月、積み立てているファンドを先月より安い価格で買えることになります。
もちろん、下落がいつ止まるかは誰にも分かりません。バフェット本人でさえ、底値を当てることはしませんでした。
しかしバフェットが60年かけて示したのは、「予測しなくても、長く続ければ報われる」という事実です。バフェットが世界一の富豪になれた最大の理由は卓越したリターンだけでなく、長期にわたって投資を続けたことにある、と指摘されています(出典:Capital Group「バフェットが世界一の富豪になれた最大の理由」)。
積み立てを止めるべきかという問いへの答え
今回の急落で「やめようか」と感じた方は、実は正常な感覚を持っています。下落局面で不安になることは、人間として自然な反応です。
ただ、バフェットの哲学はこう問い返します。
「あなたが事業に投資するとして、日々のニュースのヘッドラインを気にしますか?」
長期の積み立て投資は、毎月少しずつ世界経済という「事業」にお金を投じる行為です。今日の株価がどう動いたかは、10年後・20年後の結果に大きな影響を与えません。
10.30%の下落は、確かに大きな数字です。しかしそれは同時に、今月の積み立てが「10%割引」で買えることも意味しています。
バフェットが株価下落の日に「気持ちがいい」と言えた理由は、長い時間軸で考えていたからです。積み立て投資家が持つべき視点も、それと同じではないでしょうか。
まとめ
- バフェットは1965〜2024年で年率約20%のリターンを達成(S&P500の約2倍)
- 市場予測・経済分析を投資判断の根拠にせず、事業の本質価値で判断した
- 株価下落を「バーゲンセール」と表現し、下落局面を積極的な買い場と捉えた
- 積み立て投資においても、下落局面は口数を多く積み上げるチャンスになる
- 長期で続けることそのものが、最大の武器になる
【参考・出典】
- バークシャー・ハサウェイ 2024 Annual Report(バフェット在任期間のリターン)
- 日本経済新聞「バフェット氏は買い示唆 米株急落の真相」(2014年8月1日)
- Capital Group「バフェットが世界一の富豪になれた最大の理由」
- バークシャー・ハサウェイ 1988年 株主への手紙
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