
2つのマザーファンドによるハイブリッド型・未上場株式15%上限の仕組みを解説
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はじめに
ひふみクロスオーバーproは、レオス・キャピタルワークスが2024年9月に設定した、未上場企業と上場企業の両方に投資する「クロスオーバー型」のアクティブファンドです。スタートアップ企業にIPO前から投資し、上場後も継続保有することで大きなリターンを狙う、国内では珍しい構造の投資信託です。
この記事では、ひふみクロスオーバーproの特徴・基本情報を整理したうえで、3月24日に設定が予定されている「ひふみクロスオーバー年金(DC専用)」がどのような商品になるかを推測します。
ひふみクロスオーバーproの商品の特徴
ひふみクロスオーバーproは、主に成長が期待できる未上場企業と上場企業に投資するとともに、未上場・上場の境界を越えたクロスオーバー投資を行います。具体的には、IPO前のスタートアップ企業に投資しておき、上場後もそのまま保有し続けることで、成長の恩恵を長期的に受けることを目指します。
ファンド全体における未上場株式の組入比率は、投資信託協会の規則により最大15%と定められています。
設定当初は「ひふみ投信マザーファンド」の比率が高く、運用経過に応じて徐々に「ひふみクロスオーバーマザーファンド」の割合が高くなっていく予定です。マザーファンドを通じて実質的に投資する外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
2024年10月以降、五常・アンド・カンパニー、株式会社IDOM CaaS Technology、株式会社ベター・プレイス、イノバセル株式会社などのスタートアップ企業への出資を実施しています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ひふみクロスオーバーpro |
| 愛称 | ひふみクロスオーバーpro |
| 運用スタイル | アクティブ型 |
| ベース指数 | なし(ベンチマーク設定なし) |
| 為替ヘッジ | なし |
| レバレッジ | なし |
| 通貨建て | 円建て |
| 分配金頻度 | 年1回(7月) |
| 信託報酬 | 年率1.650%(税抜1.500%) |
| NISA口座 |
成長投資枠で購入可 (販売会社による。例えば、楽天証券は対象外) |
| 運用会社 | レオス・キャピタルワークス |
| 投資形態 | ファミリーファンド方式 |
| 運用開始日 | 2024年9月12日 |
| 購入できる証券会社 | レオス直販、SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
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投資対象と構成銘柄
投資対象
複数のマザーファンドへの投資を通じて、主に成長が期待できる国内外の未上場株式と上場株式に投資します。未上場株式に投資を行い上場後も投資し続けるクロスオーバー投資を行います。国内外の成長企業が対象で、国内中心ですが海外株式も組み入れられます。
指数の特徴
ベンチマークは設定されていない純粋なアクティブ運用です。インデックスへの追随を目指すのではなく、レオス独自の企業調査をもとに銘柄を選定します。未上場株式の組入比率は最大15%が上限です。
主な構成銘柄(現在)
未上場株式については「ひふみスタートアップ投資事業有限責任組合」経由での間接投資となります。直近では五常・アンド・カンパニー、IDOM CaaS Technology、ベター・プレイス、イノバセルなどのスタートアップ企業への出資が公表されています。上場株式の構成銘柄は月次レポートで開示されています。
類似商品との比較とひふみクロスオーバー年金の推測

類似商品との比較
| 商品名 | 運用スタイル | 投資対象 | 信託報酬 | 販売チャネル | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ひふみクロスオーバーpro | アクティブ | 未上場+上場株式(国内外) | 1.650% | 証券会社・直販 | クロスオーバー投資。NISA成長投資枠対象 |
| ひふみクロスオーバー年金(推測) | アクティブ | 未上場+上場株式(国内外) | 0.9〜1.3%程度(推測) | 企業型DC・iDeCo | proの戦略を引き継ぐDC専用版 |
| ひふみ投信(ひふみプラス) | アクティブ | 主に国内上場株式 | 1.078% | 直販・証券会社 | 守りながら増やす運用 |
| ひふみ年金 | アクティブ | 主に国内上場株式 | 0.836% | 企業型DC・iDeCo | ひふみ投信のDC専用版。低コスト |
| ひふみワールド年金 | アクティブ | 海外成長株式 | 1.100% | 企業型DC・iDeCo | ひふみワールドのDC専用版 |
3月24設定のひふみクロスオーバー年金はどんな商品になるか(推測)
レオスがひふみシリーズで実践してきたパターンと、DC専用ファンドの特性をもとに推測できる点を整理します。
投資戦略はproとほぼ同じになる可能性が高いです。未上場企業と上場企業の両方に投資するクロスオーバー型の運用スタイルは維持され、IPO前からの投資と上場後の継続保有というアプローチも引き継がれると考えられます。為替ヘッジなしになる可能性も高いです。
コスト面では、proの1.650%より低く設定される可能性があります。ひふみ年金の信託報酬率は年率0.836%とひふみ投信・ひふみプラスと比べて低水準に設定されています。同様に、ひふみワールド年金の信託報酬は年率1.1%とひふみワールドの1.628%より大幅に低くなっています。
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これらの先例からすると、ひふみクロスオーバー年金もproより信託報酬が下がると推測されます。
DC専用ファンドは毎月積立が中心で解約が少ないため、資金の流出入が安定しやすく、未上場株式の比率を維持しながら長期運用しやすいという構造上の利点があります。
なお、DC専用ファンドはNISA口座では購入できず、企業型DCやiDeCoの口座経由での取引に限られます。どの金融機関のDCプランで取り扱われるかは設定後に判明します。
メリットとリスク

メリット
一般の投資信託では手が届かない未上場企業の成長を、投資信託という形で間接的に取り込めます。IPO前から投資し上場後も保有を続ける仕組みは、上場タイミングだけを狙う従来の投資と比べて、より長い成長フェーズをカバーできます。国内外の上場株式にも分散投資されるため、未上場株式だけのリスク集中も抑えられます。年金版は長期積立との相性が良く、ドルコスト平均法の効果も期待できます。
リスク
未上場株式等は流動性が著しく乏しいため、売却時に不利な価格での取引をせざるを得なくなるなど、流動性リスクおよび各種リスクの影響が大きくなる可能性があります。
また、未上場株式等の評価額については、その時点で入手できる情報に基づいた公正価値の見積りであり、日々の基準価額算出において重要な事象を完全かつ正確に反映することが困難となります。
IPOが期待通りにならないケースや、スタートアップが事業に失敗するリスクもあります。信託報酬はアクティブファンドの中でも高めな水準です。
投資法の提案
コア・サテライト戦略

全世界株式と金でコア部分を9割程度とし、金の比率は全体の5〜15%を目安にします。
ひふみクロスオーバーpro(またはひふみクロスオーバー年金)をサテライト銘柄として残りの1割程度に位置づけるのが合理的です。未上場株式は高リターンが期待できる一方でリスクも大きいため、ポートフォリオ全体の小さな割合に留めることでリスクを管理しながら成長の上乗せを狙えます。
つみたて投資で時間分散

毎月一定額を積み立てることで、購入タイミングによる価格変動リスクを分散できます。基準価額が下がった局面でも自動的に多く口数を取得できるドルコスト平均法の効果が働きます。
DC口座での活用(年金版が設定された場合)
企業型DCやiDeCoでひふみクロスオーバー年金が選択肢に入った場合、掛け金が毎月自動投資されるため時間分散が自然に機能します。さらに運用益が非課税になるDCの税制メリットと、長期成長を狙うクロスオーバー投資の特性が組み合わさることで、長期の老後資産形成に活用しやすい商品になると考えられます。
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まとめ

ひふみクロスオーバーproは、未上場企業のスタートアップ段階からIPO後の成長まで一貫して投資できる、国内では希少なアクティブファンドです。信託報酬は1.65%とやや高めですが、上場株式だけでは参加できない成長ステージをカバーできる点は他の商品にはない特徴です。
今後設定が予定されるひふみクロスオーバー年金は、同じ投資戦略を引き継ぎながら、DC専用として信託報酬が低く設定される可能性が高く、長期積立との相性も良い商品になると推測されます。ポートフォリオ全体のコア部分をインデックスファンドで固めたうえで、サテライトとして一定比率を組み込む活用法が現実的でしょう。
投資判断の際は、最新の目論見書や運用報告書を必ず確認してください。この記事は投資勧誘を目的とするものではありません。
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