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『米国株なんて買うな! インデックス投資も今はやめとけ! グローバル割安株投資』レビュー

 

出典
米国株なんて買うな!インデックス投資も今はやめとけ! グローバル割安株投資

 

『米国株なんて買うな! インデックス投資も今はやめとけ! グローバル割安株投資』日野 秀規 (著)を読みました。

 

この本を、一言で言うと、最近はやりのS&P500などの米国株インデックス投資信託やETFに投資するのをやめ、割安感が出ている個別株に投資するか、せめて全世界株式ETFに投資するよう勧める本です。

 

この本は、たくさんの資料を用いて、現在アメリカの株式指標が低迷している理由を解き明かし、著者の豊富な投資経験から選び出された投資先の候補が紹介されています。

 

 

特に、アメリカの株式指標が低迷している理由については、興味深く、

 

アメリカの株式指標と、世界の中央銀行の通貨発行量の推移を示した折れ線グラフと重ねて見せることで、

 

アメリカの株式指標が、ここ10年間調子が良かった理由について、中央銀行がジャブジャブ発行したマネーが、アメリカの株式市場に流れ込んだためだと明確に示します。

 

また、株式は良いときもあれば、悪いときもあり、結局は、平均に回帰するとして、

 

ここ10年間調子の良かったアメリカ株は低迷し、逆に、今まで割りを食っていた割安株が投資先として有望だという見方をしています。

 

著者の銘柄の選び方も参考になり、個別株やっている人はこんな発想で株を買うのかと感心しました。

 

この著者の趣旨としては、アメリカの株式指標に連動する投資信託に投資するのは、やめておけということなんですが、

 

私は、やはり、いままで通りNASDAQ-100に連動する投資信託をコツコツ積み立てる投資スタイルを変えなくていいなと思いました。

 

というのも、アメリカの株式指標がこれから低迷し、どんどん株価が下がるなら、安いうちに買っておけるからです。

 

当面の間、割安株で儲けて、タイミングよくS&P500などのインデックス投資に切り替えるような器用な真似がそう簡単にできるとは思えません。

 

安いうちに、ドルコスト平均法で積み立てるのが王道でしょう。

 

中央銀行量的緩和した分、アメリカの株式市場に資金が流れ込んだというご指摘ですが、アメリカの株式市場が投資先として有望だという証拠です。

 

中央銀行が引き締めを行ったら、反動で資金が流出しますが、結局、お金は平均を追い求めて戻るのではなく、質が高い方に流れます

 

有望な割安株があるなら、アメリカの株式市場で資金を集めた大企業がそれら有望な会社を買収しやすくなる環境が整っているということでもあります。

 

NASDAQ-100銘柄の大企業の中には既に動いていることでしょう。

 

また、我々個人は、現状でどういう行動とるのが最適なのか模索し、合理的な行動をとろうとしますが、それは企業も同じで、株式市場で多額に資金を集められる会社なら、個人より(少なくとも私よりは)上手くそれをやるでしょう。

 

割安株という言葉の響きは魅力的ですが、長期で指標にアウトパフォームしたアクティブファンドの名前があまり挙がりませんから(※)、ファンドマネージャーを気取って下手に個別株に手を出すよりは、無難にインデックス投資を続けた方が、大火傷を回避するためにもいいのかなと思います。

 

(※)一定期間、指標にアウトパフォームしたことがあるアクティブファンドは、ひふみ投信くらいしか知りません。

 

アメリカの株式指標に連動する投資信託ではなく、全世界の上場株式の時価総額加重平均に連動する投資信託ETFに投資するのもいいと思いますが、

 

予測される株価の低迷がどのくらい続くのか分かりませんが、低迷から脱した後伸びるのは、米国株であり、様々の業種の生産性を上げるのに貢献するハイテク分野でしょう。

 

とはいえ、今後の投資について考えさせる良書ですので、興味がある方はご一読下さい。

 

出典:
米国株なんて買うな! インデックス投資も今はやめとけ! グローバル割安株投資